SGLT2阻害薬は、このSGLT2の働きを妨げることで効果を発揮します。
フォシーガ、ジャディアンス、ルセフィ・・・
これらはSGLT2阻害薬と呼ばれる糖尿病治療薬。
腎臓からブドウ糖を排泄するお薬です。
1日におよそ100gのブドウ糖、つまり400kcalを体の外に出す作用があります。
では、この薬を毎日飲めば我慢しないで簡単にダイエットができるのでしょうか?
ジャディアンスとフォシーガはSGLT2阻害薬に分類される経口薬です。
どちらも2型糖尿病や慢性心不全の治療薬ですが、体重減少につながる効果があることからダイエットにも活用されています。
そのため、
この記事では、ジャディアンスとフォシーガを比較して違いや共通点などについて解説していきます。
ジェネリック医薬品は全てのSGLT2阻害薬で発売されていません。
はじめに結論からお話します。
我慢できずに食べ過ぎに走る糖尿病でない人が、SGLT2阻害薬を服用してダイエットを試みるのは決してお勧めできません。
その理由を説明します。
脂肪組織1kgはおよそ7000kcalのエネルギーを保持しています。
SGLT2阻害薬を服用して仮に1日88gのブドウ糖が排泄されるとすると、ブドウ糖は1g4kcalだから、1日に88✕4=352kcal、1ヶ月で352✕30=10560kcalのカロリー減で、すべてが脂肪組織の減少につながると仮定して、体重は1.5kg減る計算になります。
実際糖尿病患者さんがこのお薬を服用すると、数ヶ月で2から3kgの体重が減少することが多い。
しかしその後は一向に体重は減らず、むしろ増加する例も少なくありません。
なぜこのような現象が起きるのでしょうか?
・SGLT2阻害薬に分類される医薬品であること
・作用機序
・2型糖尿病と慢性心不全が治療の対象であること
・ダイエットに活用されていること
その理由は、薬を服用する前よりもむしろ過食になるからだと考えられています。
SGLT2阻害薬は腎臓からブドウ糖が漏れ出ていくお薬です。
一方ブドウ糖は脳にとって最も大切なエネルギー源。
このため脳はブドウ糖が排泄されると、
「大変だ!糖質欠乏だ!エネルギーが無くなってしまう!」
勘違いします。
このように誤解した脳は、私たちにもっと糖質を摂取するように働きかけます。
これにより以前にも増して過食に走り、一旦減少した体重もそれ以上は減少することなく、人によってはむしろ服薬前よりも体重が増えてしまう場合も珍しくありません。
実際、動物実験においてSGLT2阻害薬投与によって摂食量が増加したという研究があります。
人での研究では、プラセボグループに比べてSGLT2阻害薬を服用したグループは、食事療法の指導を受けても外発性摂食行動(空腹でないにも関わらず、食べ物の見た目や味、香りなどの外的要素から食欲を刺激され、食べ物を摂取してしまう行動)が抑制されず、砂糖などの炭水化物の摂取量を減らすことができないという結果(糖尿病 63(3):110~118,2020)も報告されています。
その上、SGLT2阻害薬によって体重が減少しても、糖質不足の状態ではエネルギー供給が体脂肪分解のみでは間に合わなくなり、筋肉を分解して供給する可能性が出てきます。
これではきれいに痩せることができませんね。
SGLT2(エスジーエルティー・ツー)阻害薬は糖尿病の治療ガイドラインで定められている治療薬のひとつで、膵臓ではなく腎臓に作用することで血糖値を改善する働きがあります。
ジャディアンスとフォシーガでは、フォシーガの方がより強いダイエット効果が期待できます。
腎臓で糖を再吸収するたんぱく質(SGLT2)を阻害し、糖を尿中へ排泄するお薬です。
糖尿病治療薬として保険適応があります。
薬の作用によって、1日あたり約400キロカロリーのブドウ糖が尿中へ排出されるため、ダイエット効果が期待できます。
商品名としてカナグル、スーグラ、フォシーガ、ジャディアンス、デベルザ、ルセフィ等があります。
SGLT2阻害薬はその作用機序からケトアシドーシスに注意が必要です。
ダイエットの基本はいかに体脂肪を減らすかがポイント。
そのためには運動によりエネルギー消費を増やして体脂肪を燃焼させ、食べ過ぎを防いでエネルギーの過剰な流入を止めることにつきます。
食事療法のポイントは炭水化物を制限しようとするのではなく、意識してタンパク質摂取に務めることです。
人は必要なタンパク質量を摂取するとそれ以上は食べたいという気持ちが少なくなるからです。
朝食や昼食にも肉や魚なら100グラム程度、その他乳製品、卵、大豆製品などで毎食タンパク質として20から30g摂取しましょう。
特に朝食のタンパク質が不足している人が目立ちます。
現在朝食を食べないか、少ししか食べないにもかかわらず肥満の人は、朝食を摂ることからスタートしてください。
それでも減量が困難な場合は、お薬による治療を検討すると良いでしょう。
糖尿病の方なら、GLP-1受容体作動薬やメトホルミンのような食欲抑制作用を伴うお薬を使用することにより、血糖値の改善と食事制限も同時に行うことが期待できます。
糖尿病のない肥満症の方は、保険適用があれば食欲抑制薬サノレックスや漢方薬などを併用すると良いでしょう。
以上のように、ダイエットのためにSGLT2阻害薬を用いて減量を試みることは適切な方法でないことをお話ししました。
ただし誤解のないようにしていただきたい点は、フォシーガ、ジャズダンスなどのSGLT2阻害薬は適切に使用することにより、糖尿病治療薬としてだけでなく、心臓病腎臓病治療薬としても大変優れた薬であり、私も糖尿病患者さんに処方することが多いお薬のひとつであることを申し添えます。
そのため、SGLT2阻害薬で高い治療効果を期待することができます。
SGLT2阻害薬を服用すると血液中へ戻る糖が減少するため、血糖値が低下します。
SGLT2阻害薬では心血管疾患や腎疾患に対するデータが示されています。
SGLT2阻害薬を服用することで尿中の糖が増えるため、主に膀胱炎等の尿路感染症、膣カンジダ症等の性器感染症が懸念されています。また、尿量増加による頻尿にも注意が必要です。
ン(ジャディアンス、当院院内採用薬ならスーグラ、フォシーガ、カナグル)とプラセボを比較し、3.1 年間
ただし、人によって体質や健康状態などに違いがあります。
そのため、
特に1型糖尿病や2型糖尿病、慢性心不全、慢性腎不全の治療をしている人は、必ずかかりつけ医に相談してください。
SGLT2阻害薬◇第4回調査. ジャディアンスの首位変わらず. 2位はフォシーガ、3位はスーグラ. 2021/03/27.
ジャディアンスとフォシーガのダイエット効果を比較するため、それぞれの体重減少に関する臨床試験の結果をまとめました。
結果は下記の通りです。
[PDF] 糖尿病治療薬の比較・切り替えについて 注射薬(付表 ..
SGLT2阻害薬とはナトリウム・グルコース共輸送体(Sodium-glucose cotransporter-2)という腎臓の近位尿細管でのブドウ糖の再吸収に関わるたんぱく質の働きを抑えることで、尿に余分な糖を排出することで血糖値を低下させる薬です。単独で投与する場合は低血糖を誘発するリスクが少ない糖尿病の治療薬として広く使用されています。
今、期待のお薬 vol.2 SGLT2阻害剤 余分な糖を尿から捨てるお薬
SGLT2阻害薬だけを使用する場合は低血糖は起こりにくいのですが、併用薬の効きが良くなるため注意が必要です。
同じく、保険適応は主に『糖尿病』ですので、ダイエット薬としては使用できません。 お薬の名前としては、
そんなSGLT2阻害薬に心不全を改善する心保護作用があるということが、近年、言われてきています。当院でも心不全の患者様に対し、SGLT2阻害薬を使用する機会が増えました。
HFpEF治療におけるSGLT2阻害薬の位置づけ | べーリンガープラス
SGLT2阻害薬を服用すると尿中の糖が増えるため、尿路感染症の副作用に注意が必要です。
SGLT2阻害薬 安全に使ってその有効性を最大限維持させましょう
SGLT2阻害薬を服用すると尿中の糖が増えるため、尿路感染症の副作用に注意が必要です。
SGLT2阻害薬は心不全でも腎障害でも頼りになるマルチプレイヤー
2015年に発表されたEMPA-REG OUTCOME試験では、心筋梗塞や脳卒中の既往のある2型糖尿病患者に対して、既存の治療薬にSGLT2阻害薬であるエンパグリフロジンを併用することにより総死亡を32%、心血管疾患による死亡を38%、および心不全による入院を35%、低下させることができたという報告でした。これらのリスク低減効果は種類により差はありますが、他のSGLT2阻害薬でも認められています。