[PDF] 「マイコプラズマ肺炎」来襲でも落ち着いて。小児科専門家の助言1


マイコプラズマをその日のうち、もしくは1~2日のうちに診断する方法は2種類ほど存在します。


CT検査を行うと、間質性陰影や小葉中心性の陰影が確認できることもありますが、画像所見だけではマイコプラズマ肺炎の確定診断は難しく、ほかの臨床症状や検査結果と総合的に判断する必要があります。

マイコプラズマ感染の診断には、①lgMという感染後初めに上昇する抗体(自分自身の体が作る病原体をやっつける物質)を検出する方法と、②喉のぬぐい液からマイコプラズマのDNAを増やして検出する方法があります。

[PDF] 肺炎マイコプラズマ感染症の検査 -マクロライド耐性 ..

マイコプラズマには、「活性酸素」という人体にダメージを与える物質を産生して肺や気管支の組織を傷害する作用があります。その他に、より強い炎症を伴う肺炎は、マイコプラズマによる直接的な作用だけではなく、感染した人自身の免疫反応が作用し、引き起こされるといわれています。

マイコプラズマに感染するとマイコプラズマが増殖するのには2~3週間かかります。 その後、感染した人の体が マイコプラズマを認識し免疫反応が始まります。その結果肺炎が進行します。その後遅れてIgMという抗体が日単位で上昇します。マイコプラズマ肺炎があっても、感染初期ではIgMが検出されないこともあるわけです。

マイコプラズマに感染して肺炎になるのは、感染者の3~5%程度です。とくに幼児〜学童が肺炎を起こしやすく、免疫反応が弱いこともあって、何度でも感染する可能性があります。

IgMを検出するマイコプラズマ迅速検査では、感染初期にマイコプラズマIgMが上昇していないこともあり早期診断をすることは難しいのです。また、成人ではこのIgM抗体の反応が非常に弱いかほとんどないこともあり、検出ができないができないこともあります。


図 2 マクロライド耐性マイコプラズマ(MRMP)の経年的推移


マイコプラズマ肺炎は進行がゆっくりで、症状が比較的軽いことが特徴です。

○マクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン、アジスロマイシン、エリスロマイシンなど) ..

しかし、一般の細菌とは少し構造が異なります。一般の細菌は細胞膜と細胞壁の2種類で体が囲まれていますが、マイコプラズマは細胞壁を欠き、細胞膜のみで囲まれています。この構造の違いにより、他の細菌とは区別されており、効果のある抗生物質も特別なものとなるのです。

しかし、マクロライド耐性マイコプラズマが存在しているため、2~3日使用しても効果が得られない場合には、別の薬剤への変更を考慮します。

血液検査では、白血球数や好中球数が正常か若干上昇している程度です。CRP(C反応性蛋白)値も、通常は正常または軽度に上昇しています。
一般的な炎症反応と考えられ、マイコプラズマ肺炎に特異的な所見ではありません。

成人の初期治療では、マクロライド(ML)を使用します。ML 耐性マイコプラズマに

A:マクロライド系抗菌薬は、残念ながら耐性菌が増えてしまい、マイコプラズマには効かないことが多くなっています。マクロライド系抗菌薬は、細菌をやっつける際に、23S rRNAという蛋白質合成に不可欠な物質を標的にします。この23S rRNAが変異し、マクロライド系抗菌薬が効きにくくなってしまったマイコプラズマが増えているのです。その理由としては、(1) マクロライド耐性だからといってマイコプラズマ感染症が重症化しやすいわけではないこと、(2) マクロライドが全く効かないわけではないこと、(3) マクロライド以外の抗菌薬への耐性菌を増やす危険があること、(4) テトラサイクリン系やキノロン系抗菌薬の子どもに対する副作用の問題、があります。
なお、マクロライド耐性マイコプラズマは、日本や中国に多く、一説では80%くらいが耐性ともいわれています。本来は抗菌薬が不要なウイルス性の風邪に、マクロライドを濫用した結果と考えられます。風邪をひいた時に抗菌薬を欲しがる患者さんが時々いらっしゃいますが、抗菌薬の濫用はくれぐれも慎むべきです。

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迅速検査は、マイコプラズマ抗原迅速検査キットを用いて、咽頭ぬぐい液から15分程度で抗原を検出することができます。

内 科 マイコプラズマ感染症とは 取材協力/前川内科クリニック | 大和

マイコプラズマ肺炎は比較的軽度の肺炎で、主に子供や若年層に発症することが多い疾患ですが、大人にも見られます。

[PDF] 小児肺炎マイコプラズマ肺炎の診断と治療に関する考え方

A:マイコプラズマは、細胞壁を持たないという特殊な構造を持つ細菌です。そのため、溶連菌感染や中耳炎など、子どもに風邪症状を起こす病気に対しては、サワシリンなどのペニシリン系抗菌薬や、セフゾンやメイアクトといったβ-ラクタム系の抗菌薬が使用されますが、これはマイコプラズマには効きません。
一つは、細菌が生存するのに必要な蛋白質を作る仕組みを妨害するタイプのものです。このタイプに該当するのは、クラリスロマイシンやアジスロマイシンといったマクロライド系抗菌薬、ミノマイシンなどのテトラサイクリン系抗菌薬です。もう一つは、DNAを複製する仕組みを妨害するタイプで、トスフロキサシンなどのキノロン系抗菌薬が該当します。

日本では、マクロライド系抗菌薬(クラリスロマイシンやアジスロマイシン ..

一方小児では抗体反応が強く長期に持続するため、実際の感染から長期にわたり、IgM 抗体が検出され続ける場合のあることが知られています。 このような点から、IgM迅速診断法は、マイコプラズマに感染していても、「陰性=感染していない」という結果が得られたり、過去に感染していて、今回はマイコプラズマに感染していなくても「陽性→感染している」という結果が得られたりすることがあり、正確ではありません。

マイコプラズマ肺炎に対する第1選択はマクロライド系抗菌薬で、アジスロマイシン、エリスロマイ

地域で肺炎が流行しているタイミングで、子どもや若者に、1週間弱くらい熱が続き、徐々に悪化する咳があれば、マイコプラズマ感染かもしれない、と考えます。一方、鼻水や下痢はマイコプラズマ感染には認めにくい症状であり、その場合はウイルス性の呼吸器感染症の可能性が高くなります。これを踏まえた上で、レントゲンをとって肺炎像がみられれば、マイコプラズマ肺炎と考えて治療を行うことになります。

肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae: M

一方、抗体ではなく喉から採った検体を使用し、マイコプラズマのDNAを検出する迅速診断法もあります。

小児におけるマクロライド系薬耐性Mycoplasma pneumoniaeの大流行

【文 献】
1)Cherry JD. Mycoplasma and Ureaplasma infection. In Textbook of pediatric infectious diseases, 4th ed. WB Saunders,1998. pp2259‐2286
2)Anonymous. マイコプラズマ肺炎. 病原微生物検出情報月報19巻2号、1998.

その治療に関しては耐性菌を作らぬよう,成人におけるキノロンの使用は極力控えら

抗生物質を使用します。
よくはじめに使うのは、マクロライド系の薬(エリスロシン クラリスロマイシン)です。ただし、この薬が効かないマイコプラズマもあり、その場合は学童期以降ならテトラサイクリン系の薬(ミノサイクリン)、ニューキノロン系の薬を使用します。